訴訟団日記

●7月20日付
【滝本静香】

『男女6人夏物語』

いつの年だったろう。
私(たち)は、ただただ生きていた。
際限のない時間を有意味に使えることの歓び、かつての集団経験の記憶を想起すること
(余力)は無かった。
仕事で疲れては寝るだけの日々。
バラバラな休日と交差しない他者との生(活)。
うだるような暑さが無気力と無関心に拍車をかける。
小部屋には衣類とフライヤーと煙草の空き箱が散乱し、腐った野菜が冷蔵室を彩る。
再生産労働がとても億劫に感ぜられた。

悶々としていた私たちは重い腰を上げ、一堂に会した。
(何でも良かったわけじゃないが)一台にラジカセを搭載し、サイクリングをすることにした。
会話はほとんど無かったけれど、視線が合っては交換しあった微笑、共に移動している
心地よさが鬱積した気分を紛らわせてくれた。 Details »