麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟団声明「麻生国賠(麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟)不当判決を許さない! 不意打ち判決を強行した谷口園恵裁判長は人民の敵!即刻辞職しろ!」

麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟団声明

 

麻生国賠(麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟)不当判決を許さない!

不意打ち判決を強行した谷口園恵裁判長は人民の敵!即刻辞職しろ!

 

1:格差と貧困の原因は-「麻生邸リアリティツアー」から「麻生国賠」へ

2008年10月26日、「反戦と抵抗の祭<フェスタ>」プレ企画として実施された「リアリティツアー2―62億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」において、若者3人が不当に逮捕・拘束され、それぞれの自宅と、連絡先となっていたフリーター全般労働組合の事務所が家宅捜査を受けました。「麻生邸リアリティツアー事件」です。

麻生邸リアリティツアーは、派遣労働やアルバイト、生活保護や障がい者などを含む不安定な生を余儀なくされ、経済的貧困に追いやられた人たちや、その問題に共感する人たちによって企画されました。当時メディアによって喧伝されていた麻生首相(当時)の62億円もする家とは、貧困や格差の片棒を担いでいる人物の家とはどんなものか見てやろうじゃないかと。それは、「かわいそうな人たち」という視点でメディアに採り上げられ晒された人々自身が、その視点を反転させ、貧困や格差の原因を作ったのは誰なのかを明らかにさせる行為でもありました。

当日の15時前、集合場所の渋谷ハチ公前には、インターネット等で呼び掛けに応じた様々な人達が集まっていました。渋谷署警備課長(当時)・宇井秀三は、自ら「麻生邸に近づいた時点からは5名ずつならば通す」旨を私たちに伝えてきました。

参加者達は3、40 分ほど駅頭で声を挙げた後、渋谷署との話し合い通り、風船やプラカードを下ろして、渋谷駅を背に歩き始めました。参加者はおよそ50人ほどでした。

その直後、集団が道玄坂下にさしかかろうとしていた瞬間、警視庁公安部及び渋谷署警備課は、突如参加者の中へ突入。3人の若者を無理矢理羽交い絞めにし、路上に組み伏せ、連れ去っていきました。「公安条例違反」「公務執行妨害」のでっち上げでした。その後彼らは警察署に12日間勾留されました。しかし逮捕時の映像はYou Tubeにアップされ、再生は計30万回を超え、全国的な救援運動の成果で無事奪還されました。

しかしその12日間、3人は自由を奪われ、勝手に家に踏み込まれ部屋を荒らされました。また、便宜上連絡先となっていたフリーター全般労働組合の事務所にも公安警察が捜査と称し様々な書類を物色。組合員の大事な個人情報が入ったパソコンを必要もなく持ち去っています。このような権力による横暴は断じて許す訳にはいきません。そこで私たちは不当な逮捕・勾留、家宅捜索に対し、国と都を相手取り、2010年2月26日、公安条例撤廃を求めて国家賠償請求訴訟を起こしました。

 

2:不当逮捕の責任を取らせるたたかい

この裁判を提起した背景には、ここ数年、毎年のように繰り返されるささいな行為の事件化・弾圧の傾向があります。

3.11以降の、反原発・脱原発の民衆のうねりは多くのデモに結実しました。しかし警察権力は幾度と無く参加者を不当逮捕するという暴挙を繰り返しています。このような弾圧・規制という時代の逆行に対し、私達は国家賠償請求法を武器に、司法の場でデモなどの街頭表現の自由を保障させようというものです。中でも強調したいのは、デモの自由を規制する公安条例という縛りです。東京都公安条例は戦後直後からデモと集会の自由を規制してきました。かの1960年安保闘争後は特に強化されました。「公安条例は憲法違反だ」という私達の主張を、運動全体の課題として共有していこうと裁判闘争を展開していきました。

第11回期日では不当逮捕を収めたDVDを上映。You Tubeで閲覧され続けている動画に新たな場面を追加したもので、誰が映像を見ても、不当逮捕である事は明白でした。また第16回期日では公安警察(当時)の山口悟、第17回期日では渋谷署地域課(当時)の嶋野伸一、そして第18回期日には市部や諸警備課長(当時)の宇井秀三と権力側の当事者3名を法廷に引きずり出し、逮捕・捜査の不当性を明らかにしました。一方、私たち原告側からも証人が出廷、不当逮捕の生々しい瞬間に加え、人権侵害著しい取調べの様子や公安条例の、警察の都合により恣意的に運用される実例などを証言してきました。

これらの様々な法廷での遣り取りを見れば、逮捕と捜査は不当であり、その根拠となった東京都公安条例は、その運用の恣意性が払拭できず違憲である事は明白です。

 

3:東京地裁のあらゆる妨害と私たちのたたかい

しかし、裁判において公平でなければならない東京地裁は、私達原告へ攻撃を仕掛けてきました。第13回期日で、原告園が着用しているTシャツに一方的にイチャモンをつけその証言を阻み退廷を命じ、応じないと見るや暴力的に排除。園は排除される前に、証言を阻む理由の説明を求めましたが全く何も説明されませんでした。現在も彼が証言を阻まれた理由は不明のままです。証言自体も’14年7月1日に行われた第19回期日まで、実に1年8ヶ月もの間採用されず、中止されたままでした。

園の証言が阻まれた次の第14回期日からは、東京地裁は法廷を警備法廷へ移しました。警備法廷は、入廷に際し傍聴人は厳重な身体検査を受け、貴重品と筆記具以外は持ち込めません。傍聴席も15名から20名程度の廷吏が監視しており、これでは自由な傍聴ができません。法は人民の為に国家権力を束縛するものというのは法治国家の大原則です。警備法廷などという転倒した施設を使用するという事は、民主的な裁判を行う意思が無いと言えます。この警備法廷による攻撃は’14年12月9日の第20回期日の判決まで続きました。

裁判長が民事第6部の谷口園恵裁判長へ交代してからも攻撃は続きました。

私達原告は、不当逮捕時の重要な証人として公安2課長(当時)の栢木國廣を、また不当捜査の重要な証人としてフリーター全般労働組合組合員の証言を求めてきました。前者は、原告が不当逮捕された際に現場で逮捕の指揮を執っており、それは上映されたDVDにも明確に記録されていました。後者はフリーター全般労働組合が家宅捜索された際に立ち会った人物です。これら2名は明らかに事件の当事者であり、2名の証言抜きには正確な審理など不可能なのです。しかし谷口裁判長も証人として採用しませんでした。しかも着任して2回目の期日で、いきなり一方的に結審を言い渡したのです!

そこで私たちは谷口裁判長の忌避=解任を申し立て、別の裁判長でやり直しを求めましたが、東京地裁はそれも即座に却下しました。私たちはどんなひどい裁判をされてもただ黙って裁判官に従っていろと言わんばかりの東京地裁の姿勢も大きな問題です。

東京地裁および谷口園恵裁判長による攻撃の卑劣さは、判決日告知にまで表れていました。なんと期日1週間前に告知してきたのです!原告も代理人もそれぞれ仕事や用事を抱え1週間では調整が付かないのは当然ですが、それを見越しての告知でした。勿論傍聴人も集まるかどうか分りません。前回期日からは3ヶ月もあり、その間全く連絡がなかったのに、まさに突然の不意打ちの告知です!すぐさま期日変更の申立をしましたが、即座に「変更しない」旨の返事がありました。

判決は裁判に参加している人、関心のある人全てに聞く権利があります。突然一方的に日程を設定し、「この日に来い」とは、横暴以外何ものでもありません。私達原告は、原告、代理人全員欠席という対応で抗議の意思を表しました。裁判長が硬い表情で「原告の請求をいずれも棄却する」と告げた後、谷口園恵裁判長、宮崎謙裁判官、岩下弘毅裁判官は、法廷から一目散に逃げ去りました。判決が言い渡されると、傍聴席は怒号で溢れかえり、廷吏に促されてもその場を離れようとしない人も居ました。

 

4:警察主張を丸のみした最悪の判決文

判決文も酷いものです。捜査機関である警察・検察の内容を鵜呑みにし、被告である国と都の主張をそのままなぞっただけの内容は、司法機関としての立場を放棄し行政に擦り寄る権力の傀儡そのものでした。「人民が集まると暴徒と化す」と決め付ける潜在的暴徒論を援用していますが、それは権力の一方的な理屈である事は、これまで起こった数多くのデモが証明しています。本件において、よしんば暴徒化したとしても、その社会的背景を分析していけば、根本的原因は国家によるものである事は明らかです。判決文では、東京都公安条例について「濫用の恐れがあり得るといって……違憲であるということはできない」としていますが、それはつまり「濫用されたら仕方ない」という事にしかなりません。法治国家と言われるこの国で「権力が濫用されたら、仕方ない事だから我慢しろ」などと判決文に書く裁判長がいる、という事自体驚きです。

逮捕時の事実についても嘘だらけで、何より酷いのは法廷で上映されたDVDで、明らかに逮捕の指揮を行っていた公安2課長(当時)の栢木國廣についてすっぽりと抜け落ちていて、一切触れられていないという事です。前述の様に、彼に関しては証人の採用もされていません。法廷での映像に映っており、You Tubeで30万回以上も映された彼の存在が全く無かったかのように判決文では書かれていたのでした。

 

5:2015年から控訴審をたたかいます!

私達はこのような東京地裁、そして民事第6部谷口園恵裁判長達の行いを決して許しません。折しも判決の日は翌日に安倍政権による稀代の悪法、特定秘密保護法の施行を翌日に控えていた12月9日でした。安倍政権は、格差をより拡大し人民の尊厳を踏み躙る事で、それぞれが繋がる気持ちを麻痺させます。一部の人達は互いに貶し傷つけ合い、そうやって増大させた不満や不安を自らが勝手に想定したアジアの敵へと向かわせ、戦争の為の国家づくりと共に核兵器である原発再稼動も着々と進めています。それを見てほくそ笑むのは、人民を搾りかすすら出ない状態へと追い込む資本家たちです。公安条例はその様な社会への異議申し立てへの弾圧に口実を与え、デモや集会などの広義的参政権への侵害となるものです。私たちは東京高裁へ控訴し、2月22日18時からは控訴審に向けた集会も行います。今後も公安条例撤廃を目指したたかい続けます!ぜひ引き続きご支援をお願いします。

 

2015年1月4日

麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟団

「麻生邸リアリティツアー国賠訴訟」一審報告・二審スタート集会

2015年2月22日(日)18時~渋谷勤労福祉会館・第二洋室